名古屋で『相続税』なら【税理士法人心 名古屋税理士事務所】

税理士法人心

「相続税対策」に関するお役立ち情報

不動産の買替特例と相続税対策

  • 文責:税理士 内堀昌樹
  • 最終更新日:2023年7月27日

1 事業用不動産の買換特例

⑴ 事業用不動産の買換特例の制度の概要

事業用不動産の買換特例についてご存じでしょうか。

この特例は、不動産中古市場の流動性を上げるための制度であり、事業用不動産を買い替えた際に、売却によって得た利益に対してかかる譲渡所得税を例外的に、一部将来にわたって繰り延べることができる特例です。

この特例を使うための条件はいくつかありますが、おおまかにいえば、「一定の期間保有した事業用不動産を売却してから、一定期間内に一定の買換資産を取得し、取得の日から1年以内に事業に供した場合」であり、要するに、不動産事業投資を継続した場合に適用が考えられる特例です。

参考リンク:国税庁・事業用の資産を買い換えたときの特例

⑵ 買換特例の具体的な内容

不動産の買換特例を使うための条件として、次の①から⑧が挙げられます。

まず、買換により譲り渡し、また、取得する不動産はいずれも①「事業用」である必要があります。

次に、重要かつ難解なポイントなので注意が必要ですが、②買換特例を使うためには、譲り渡す不動産と取得する不動産が、一定の組み合わせである必要があります。

例えば、既成市街地内(23区等市街化が進んでいる地域)にて10年以上所有した不動産を売却し、既成市街地外の不動産を取得する場合が該当しますが、難解ですので、税理士へ相談されるのがよいと思います。

さらに、③取得する不動産の面積が、譲り渡した不動産の面積の5倍以内である必要があります。

また、④資産を譲渡した年か、その前年中、あるいは譲渡した年の翌年中に買換資産を取得することも条件です。

前年中に取得した資産を買換資産とするためには、取得した年の翌年3月15日までに、書面を提出しておくことが必要です。

また、譲渡した翌年中に買換資産を取得する予定の場合には、確定申告書を提出する際に取得する予定の買換資産についての取得予定年月日、取得価額の見積額及び買換資産が買換えの組合せのいずれかに該当するかの別、その他の明細を記載した買換資産の明細書を添付することが必要です。

これらの条件は厳格で、提出を忘れると特例が適用できなくなる恐れがあることから、特に注意を要する条件です。

そして、上述したとおり、⑤買換資産を取得した日から1年以内に事業に使うことです。

なお、取得してから1年以内に事業に使用しなくなった場合は、原則として特例は受けられません。

さらに、⑥この特例を受けようとする資産については、重ねて他の特例(優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例や租税特別措置法第19条各号に掲げる特例等)を適用することはできないという制限や、⑦譲り渡す不動産を5年以上所有しているという保有要件、⑧贈与や収用によるものではないといった、様々な条件があります。

⑶ 買換特例の具体的な効果

買換特例が適用されると、売却時の譲渡所得税につき、買い替える不動産の金額の方が高い場合には、譲渡資産の譲渡金額を約2割で評価してよいことになります。

また、譲り渡す資産の方が高い場合であっても、譲渡金額をその差額と買い換えた金額に約2割を掛けた額との合計で評価してよいことになります。

しかしながら、この特例は免除ではなく繰り延べですので、あくまで、次に不動産を売却するまでの間、課税されないということにすぎず、払わなくてよいということではありませんので、注意が必要です。

2 不動産の交換特例と相続税対策

では、不動産の買換特例をどのように利用すれば、相続税対策になるのでしょうか。

一見すると、税の支払いの時期を遅らせる制度と相続税対策は結び付かないように思えるかもしれません。

ここで重要なのは、相続税というのは、利回りや収益性とは関係なく、相続税路線価という国の評価に従って課税がなされるということです。

そして、上述した特例が利用できる組み合わせの中には、既成市街地から既成市街地外の土地を購入するケースも含まれていますから、相続税路線価が高いけれども、収益性が低い不動産を、相続税路線価が安く、収益性が高い物件に買い換えることで、長期的にみて、相続税を節税し、かつ、収益を上げることができることになります。

3 税理士法人心にご相談ください

税理士法人心には、相続税申告を中心に取り扱う税理士がおり、必要に応じて弁護士法人心の弁護士と連携して対応できますので、ワンストップで、相続に関する適切な解決を提案することができます。

また、不動産鑑定士や保険代理店等、多くの連携先を有しており、不動産の今後の評価や、幅広い相続税対策など、様々なお客様のニーズにお応えすることが可能です。

相続に関するご相談は原則無料で、事前の調整により土日や夜遅くのご相談も可能です。

お気軽に当法人までご相談ください。

  • 選ばれる理由へ

税理士紹介へ

スタッフ紹介へ