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相続税申告の失敗事例

  • 文責:税理士 内堀昌樹
  • 最終更新日:2024年9月3日

1 土地の評価を誤った場合

相続税申告の失敗事例として、よくあるのが土地の評価を誤った場合です。

具体的には、一つの土地があったとしても、その形状や面積、土地が道路に面している箇所や土地の周辺状況等によっても、大きく金額が異なることがあります。

標準的な長方形の土地であればそれほど土地の評価が異なることはありません。

もっとも、その土地が、少し歪な形をしている場合や、土地の面積が広すぎる場合、その土地が市街地にある農地の場合など、特殊な要因がある場合だと、基本的に、標準的な長方形の土地に比べて、相続税評価額が低くなります。

このように土地の評価については、特殊な要因があった場合、評価額がことなり、この点については、税理士であっても間違えてしまうところなので、注意が必要です。

土地の相続税評価額を下げる様々な要因については、こちらで具体的に説明していますので、参考にしてください。

実際に、相続税に不慣れな税理士に相続税の申告を依頼した結果、土地の評価を誤り、本来納める相続税税額よりも、数百万円も高い相続税を納めてしまったという事例もあります。

なお、土地の評価については、概略が以下の国税庁のホームページにも記載がありますので、あわせてご確認ください。

参考リンク:国税庁・土地家屋の評価

2 小規模宅地等の特例の適用を誤った場合

土地の評価を最大80%抑える小規模宅地等の特例という制度があります。

この特例を使うかどうか、また、土地が複数ある場合は、どの土地について小規模宅地等の特例を使うかで、相続税が大きく異なることがあります。

そもそも小規模宅地等の特例を使うためには、いくつかの要件があり、また、使える面積の上限もあります。

そのため、土地が複数ある場合は、どの土地に小規模宅地等の特例を使ったら、全体として相続税が抑えられるか、よく吟味する必要があります。

ところが、相続税申告をされる方の中には、あまりこの点を意識せず、「自宅だから小規模宅地等の特例を使おう」というように、安易に小規模宅地等の特例を利用して、相続税申告をされる方がいます。

一度、小規模宅地等の特例を利用して申告してしまうと、基本的に、「相続税が安くなるから、別の土地に小規模宅地等の特例を利用し直す」ということはできません

このように、適切に特例を利用できなかったケースも、よくある相続税申告の失敗事例の一つです。

また、小規模宅地等の特例については、相続税の期限内に申告を行う必要があり、期限を過ぎてしまうと、基本的に小規模宅地等の特例を適用できなくなりますので、注意が必要です。

小規模宅地等の特例について詳しくは、以下の国税庁のホームページもあわせてご確認ください。

参考リンク:国税庁・相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

3 二次相続を考慮していなかった場合

両親がいる場合で、父の相続(一次相続)の際、残された母に父の遺産すべてを相続させる場合があります。

この場合、父の相続では、母には、配偶者の税額軽減という配偶者は1億6000万円か法定相続分のどちらか高い金額まで相続税がかからないという制度があります。

そのため、父の遺産が1億円で、相続人が母と長男の2人の場合、母が父の遺産全てを相続する場合、相続税は0円となります(なお、相続税の申告自体は必要です)。

もっとも、母が亡くなった場合(二次相続)、母が父から受け継いだ遺産だけでなく、母個人の財産も相続税の対象となり、仮に母の遺産が1000万円の場合、母の相続税は1520万円となります。

仮に、父の遺産を母と長男とで半分ずつ(5000万円ずつ)分けた場合、父の相続の際にかかる相続税は385万円となります。

また、母の相続では、相続税が310万円となり、父の相続税とあわせても695万円となります。

そのため、父の相続で母に遺産全てを相続させる場合に比べて、父の相続を母と長男とで2分の1ずつ相続した場合の方が、相続税が825万円も安くなります。

このように、一次相続の際においても、二次相続も考慮して遺産の分配を検討する必要があり、何も考えずに一次相続を処理してしまうと、二次相続の際に、想像以上の相続税を支払わなければならなくなる可能性がありますので、注意が必要です。

二次相続まで考慮した相続税対策については、こちらをご参照ください。

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