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土地の相続税評価額を下げる要因

  • 文責:税理士 内堀昌樹
  • 最終更新日:2024年8月22日

1 土地の評価額を下げると相続税を減額できる

相続税は、遺産の総額が多ければ多いほど、高くなります。

逆に言えば、相続税は、遺産の総額が少ないほど、少なくなります。

預貯金の額は変えることができませんが、土地の価値は預貯金と異なり、評価の方法によって、価額を下げることが可能です

相続税評価額の計算方法については、こちらもご参照ください。

そのため、土地の価値を低くすればするほど、相続税を減額することができます

以下では、土地の評価額が下がる代表例をご説明します。

2 形の悪い土地

土地は、正方形や長方形のような整った形であれば、利用しやすく、市場で高く評価されます。

逆に、形がいびつな土地は、利用しにくく、市場では低く評価されるため、相続税申告の場面でも、形がいびつな土地は、評価額を下げることができる可能性があります。

たとえば、旗竿地と呼ばれる旗のような形の土地については、道路に面している土地の面積が小さく、土地の利用も制限されるため、評価額を下げることが可能な場合があります。

また、長方形の土地であっても、間口と比較して奥行が大きい場合、奥の部分の利活用が困難であることが多いため、市場価値が低下することとなり、相続税申告の際の評価額も下げることができます。

参考リンク:国税庁・不整形地の評価

3 傾斜がある土地

傾斜がある土地は、平坦な土地と比べて、利用しにくく、市場では低く評価されます。

そのため、傾斜がある土地は、相続税申告の場面で、評価額を下げることができる可能性があります。

また、基本的に土地の傾斜の角度が高ければ高いほど、土地を活用しようにも、土を盛るなどの費用がかかるため、評価額が低くなる傾向にあります。

4 騒音や振動がある土地

たとえば、すぐ近くに線路があり、毎日電車が通るような場所では、相当な騒音や振動があります。

このような土地は、宅地としての利用価値が低くなるため、騒音や振動がない土地より、評価額が下がることがあります。

5 隣が墓地などの場合

たとえば、隣地が墓地等だった場合、その土地の買い手がつきにくくなり、市場価値が下がります。

そのような土地は、評価額が下がる可能性があります。

6 正面の道路の幅が4メートル以下の場合

宅地の正面の道路は、原則として4メートルの幅が必要とされています。

もし、宅地の正面の道路の幅が、4メートル以下の場合、新しく家を建てるときなどに、行政的な条件が厳しくなります。

このような土地は、市場価値が下がるため、相続税申告の際にも、評価額を減額できる可能性があります。

7 市街地の田んぼなど

市街地の田んぼを整備して、宅地として売り出す際は、田んぼを造成しなければなりません。

市街地の田んぼなど、造成が必要な土地は、その費用分、評価額が下がることがあります。

8 高圧電線が上空を通過している土地

土地の上に高圧電線が通過している土地については、その下に建物を建てられないなどの制限を受ける可能性があります。

そのため、高圧電線が通過している土地の場合、評価額を減額できる可能性があります。

9 土砂災害警戒区域等に指定されている土地

土砂災害警戒区域等に指定されている土地の場合、万が一、災害が起こった際に、住民等の生命、財産に著しい被害が出る可能性があり、そのような土地の場合、買手が付きにくい傾向にあります。

そのため、土砂災害警戒区域等に指定されている土地も、評価額を減額できる可能性があります。

10 土地の評価は相続税に強い税理士にご相談を

このように、土地の評価には様々な減額要素があります。

これらの減額要素を把握し、土地を適切に評価できるかによって、相続税の額が大きく変わることもあります。

しかし、税理士の中でも、土地の評価に詳しい方は少数であり、中には、土地の減額要素があるにも関わらず、それを調べもせず、高い評価額で相続税を計算している人もいるのが現状です。

相続税を高く納め過ぎてしまっても、税務署はそのことを教えてくれませんので、適切に評価して申告することはとても重要です。

そのため、遺産に土地が含まれる場合の相続税については、相続税に強い税理士にご相談されることをおすすめします。

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