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相続税の分割払いや現物払いはできるのですか?

  • 文責:税理士 内堀昌樹
  • 最終更新日:2023年7月23日

1 相続税の延納と物納の申請状況

国税は、金銭での一括納付が原則です。

しかし、相続税額が10万円を超えており、金銭で納付することが困難な場合、納税者の申請によって、納付困難な金額について、担保を提供することにより、年賦で納付することができます。

これを延納といいます。

なお、相続税の延納については、以下の国税庁のホームページからみても、ほとんど利用されておらず、例えば令和4年度では、申請は1086件となっており、令和4年度の全体の申告件数は約15万件であることからしても、延納が認められる要件が厳しいことが分かります。

参考リンク:国税庁・相続税の延納処理状況等

また、延納によっても金銭で納付することが困難な場合、これも納税者の申請によって、納付困難な金額について、一定の相続財産を納税に充てることができます。

これを物納といいます。

なお、相続税の物納については、以下の国税庁のホームページからみても、ほとんど利用されておらず、令和4年度では、申請はわずか52件となっており、それだけ物納が認められる要件が厳しいことを物語っています。

参考リンク:国税庁・相続税の物納処理状況等

2 延納について

延納は、一定の要件を満たしている場合に、税務署長に対して申請を行い、許可が得られた場合に限り行うことができます。

延納するためには担保が必要となりますが、どんな財産でも担保にできるわけではありません。

担保にできる財産は、国債・地方債、土地、保険のついた建物など、種類が限定されています。

なお、相続や遺贈によって取得した財産に限らず、相続人自身の財産や共同相続人の財産、第三者の財産であっても担保にすることができます。

なお、延納期間中は利子税の納付が必要となるので、注意が必要です。

相続税の延納については、国税庁のホームページもあわせてご確認ください。

参考リンク:国税庁・相続税の延納

3 物納について

物納は、一定の要件を満たしている場合に、税務署長に対して申請を行い、許可が得られた場合に限り行うことができます。

どんな財産でも物納に充てることができるわけではなく、納付すべき相続税額の課税価格計算の基礎となった相続財産のうち、一定の条件を満たすもので、その所在が日本国内にあるものに限られます。

物納できる財産としては、不動産、船舶、国債、地方債、上場株式などが挙げられます。

また、これらの財産であっても一定のものは物納に適さないとされます。

相続税の物納については、国税庁のホームページもあわせてご確認ください。

参考リンク:国税庁・相続税の物納

4 延納から物納への変更

延納の許可を受けた相続税額について、その後に延納条件を履行することが困難となった場合、申告期限から10年以内に限り、分納期限がまだ来ていない税額部分について、延納から物納への変更を行うことができます。

5 税理士へのご相談

延納の申請も物納の申請も、要件が定められていたり、担保として提供できる財産や物納に供することができる財産に制限があったりするなど、許可を得ることが難しい部分があります。

名古屋市では、相続財産の中で不動産が大きな割合を占める事案が比較的多くみられ、しばしば相続税の納税資金の調達に苦慮される方がいらっしゃいます。

名古屋で相続税の申告をされたい方で、延納や物納をご検討の方は、ぜひ一度税理士法人心にご相談ください。

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