上手な贈与の利用方法に関するＱ＆Ａ

相続税の節税対策を考えるにあたり、相続税と贈与税のどちらが安いかは、その方の相続財産がどの程度の金額か、どの程度の額を贈与するかによって変わってきます。

相続税の納付額を減らす目的で、生前のうちから相続人となる方にご自分の財産を贈与する方もいらっしゃいます。

これは、相続税よりも贈与税が高いと考えた方が行う方法です。

実際には、贈与税と相続税の節税額の分岐点がどの金額なのかを確認しておくことが重要となってきますので、相続税対策をお考えの方は税理士に相談することをおすすめします。

また、こちらでも相続税と贈与税の違いについての質問にお答えしていますので、ご参考ください。

贈与契約書の作成だけでは、十分でない可能性があります。

生前贈与をする際の注意点としては、税務署から贈与の事実を否認され、贈与したと考えている財産が相続財産であるとされてしまうことです。

そうならないように贈与契約書を作成しておけば大丈夫と考えている方もいらっしゃいます。

しかし、贈与の事実は、様々な事実の積み重ねによって証明しなければなりません。

贈与の事実を証明するためには、贈与契約書を作成するだけでなく、贈与した金額を実際に贈与者である親の口座から受贈者である子供の口座に振り込むなど金銭を移動しておく必要があります。

また、贈与を受けた子供は、その口座の通帳や銀行印を自分で管理しておく必要があります。

贈与をした親がそのまま子供の口座を管理している場合には、口座の管理者が親であるとみなされ、贈与の事実がなかったのではないかと税務署から指摘を受けることになります。

相続開始時点での被相続人の総財産が、相続税の計算の基礎となります。

そのため、生前に贈与してしまい、すでに被相続人の財産でなかった場合には、基本的には、相続財産ではなくなり、その分相続税が減ることになります。

しかし、相続開始からさかのぼって一定期間内の相続人及び受遺者に対する贈与については、相続税の課税対象となるため、その金額を相続財産に加算して、相続税が算出されます。

そのため、相続開始直前の贈与には、注意が必要です。